- 前項では、更なる成績向上を目指すのであれば、
「意識化」が重要なキーワードになる、という話をしました。
本項では更に踏みこんで、
どのような切り口で「意識化」に取り組めばいいのか、
という話をしたいと思います。
よくスポーツで良い結果を出すためには
「心・技・体」の「三位一体」が必要だと言われています。
もちろん、営業の世界でも「心・技・体」が揃っていることは重要です。
ただ、本研究所は、「心・技・体」を鍛えなさいという
非科学的なアドバイスをするつもりはありません。
当研究所では、営業で良い結果を出すためには
①「営業生産性向上のための戦略性」
②「顧客心理軸を意識した行動の見える化」
③「コミュニケーションスキルの可視化」
④「ノウハウ、ナレッジの論理的思考に基づいたコンテンツ化」
の「四位一体」で営業を体系化することこそトップセールスに近づく、
そして、更なる営業成果向上のポイントだと現時点では結論づけている。
詳細を記載するには時間が足りないので、
ここでは要点のみをウレル君には伝えておこうと思う。
大切なことなので、メモをしておいてください。
- はい、博士。
- まず①「営業生産性向上のための戦略性」からだが、
どんなに優れたトップセールスだろうと100戦100勝は無いだろう。
野球選手が3割~4割打てれば首位打者に立てるように。
野球でいえばピッチャーが、営業でいえばお客様がいるので、
上手くいかないのは当たり前である。
映画『マネーボール』(Moneyball、2011年)をウレル君は観たかい?
- はい。ブラッド・ピットが出演している映画ですよね。
- そう。
各種統計などから、より確率が高い方を選択し、
勘や経験から野球をするので、データに基づいたチーム作りを行い、
優勝をしたという物語だったよね。
一か八かであればもしかすると運がいい人が勝つ場合もあるけど、
長いスパンで見た時には
「いかに確率が高い方を選択していくのか」というのが重要になってくる。
営業の話に戻すと、僕がトップセールスを研究をして分かってきたことの一つが、
「生産性や効率を考えた戦略作りの巧みさ」なんだ。
限られた時間、限られた行動数・訪問件数の中から成果を最大化する為の
ターゲティング作りと置き換えることも出来るかな。
どのように条件づけて、どのように絞り込んでいるかが分かれば、
トップセールスだけではなく、他の人も同じような成果が望めそうだよね。
だから、トップセールスが頭の中で行っている思考パターンを見える化する必要があるんだ。
大事なことは、表面的なことをマネすることではなく、
トップセールスの思考フレームを見つけ出すということなんだ。
- 博士。簡単そうにいってますけど、難しいのではないですか?
- 確かに。最初の頃は僕も良く解らなかったんだ。
でも、色々なトップセールスに話しを聞いていった中で、
いくつかの思考フレームと、パターン化に出来ることが気がついたんだよ。
それに触れると時間が無くなっちゃうので、先に他のポイントを説明するね。
次は、「顧客心理軸を意識した行動の見える化」だね。
営業はモノを売ることではなく、お客様にお客様自身のニーズを気づかせること。
気づかせたニーズを満たすことこそが重要であるというのは前頁で触れたよね。
その時に重要になってくるのが「顧客視点に立てるか?」ということなんだ。
「何を当たり前のことを」と感じたかもしれないけど、
実は、多くの営業はお客様が商品購入に至るまでの心理変化を表すことが出来ないんだよ。
だから、どこまでお客様の検討が進んでいて、
営業として何をしなければいけないのか?ということが分かっていないんだ。
当研究所で、成績が芳しくない営業にインタビューをして気がついたことは
「顧客視点の不在」なんだよ。
多くの企業では、案件状況を把握する為に、
案件がどこまで進んでいるか?を計測しているケースがあるんだ。
その時の視点も多くの場合は「顧客視点」で構築はされていないんだ。
「営業が何を実施したか」ということを計測したにすぎないんだよ。
- 博士、少し分かりやすく説明してもらってもいいですか?
- ごめん、ごめん。 分かりやすく説明をすると
「(新規・定期)訪問」⇒「案件発掘」⇒「見積り提示」⇒「交渉」⇒「受注」
といった営業活動の流れがあったとしよう。
多くの企業は、営業支援システム(SFA)を使って、
この活動を計測しているということなんだ。
全く意味が無いとは言わないが、
活動と成果の間に相関性が見つけられない場合の方が多いんだ。
当初は、営業生産性を向上する為にシステムを導入し、
営業の見える化を行おうとしていたのが、
だんだんと計測している意味が分からなくなり、営業は負担に感じ、
結果、システム等が形骸化していく、という流れになることが多いんだよ。
理由は、何度もいうが「顧客視点が不足している」からなんだ。
顧客心理を意識し、心理を動かすために何をするのか?が、
無意識のままでは、良い結果を出すことは難しいだろう。
「コミュニケーションスキルの可視化」、
「論理的コンテンツ化」と続けたいところではあるが、
時間が長くなってしまったので、ここまでにしておこう。
ウレル君の頭に湯気が立ち始めてもいるしね。
- はい。博士、そろそろ限界です。
(※続きが気になる方、より詳細な解説、説明をご希望の方は、是非お問い合わせください。)
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